
スピリチュアルや自己啓発の分野でよく言われる、「この世は逆にできている」 という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
これは単なる逆説的な言葉遊びではなく、本当に望む幸福や心の平穏を維持するためには、その内容は大切ななものになります。
少しニュアンスが違いますが、この「逆」というのは、別の角度から見れば「鏡の法則」の概念で説明やアプローチすることもできます。
一見、苦しみの多い世界に住んでいるように感じている人こそ、この「逆の真理」を理解することが大切です。
では「逆」とは、いったいどういうことなのでしょうか?
「追いかける」ほど「遠ざかる」・「逃げる」ほど「追われる」
「お金が欲しい」「愛されたい」「自由になりたい」と思っているほど、それが逃げていくように感じた経験はありませんか?
これは、「不足感」から願うと、不足の(ネガティブな)波動を発してしまうからだと説明されます。
逆に、「すでに満たされている」という感覚を持てば、その余裕やゆとりが、現実に豊かさや愛を引き寄せる要因となります。
つまり、「すでにある」と感じる(知っている)ことが、内面や現実を変える鍵になってきます。
宇宙の基本法則の一つは「同調の法則(共鳴の法則)」です。
私たちの思考・感情・意識の状態は、波動として空間に放たれ、それと似たエネルギーを引き寄せたり創り出すといわれます。
「欲しい」または「逃げたい」という感情には、「その対象を強く意識している」という波動が含まれています。
強い拒絶もまた執着の一形態なので、「その対象の存在」をクローズアップすることになります。
これは「意識を向けたものが拡大する」という宇宙法則の原理から、結果的にその現象や人間関係が繰り返し現れる、ということに繋がります。
「追いかける」と「追いかけなければならないような現象」を、「逃げる」と「逃げ続けなければならない現象」を無意識に創造し続けることになります。
こういった場合、追うのも、逃げるのもやめ、具体的に冷静な対策を講じることや、きちんと本当の自分の気持ちや対象に向き合うことが、建設的な解決や、現実的な成長につながる一手になります。
ー 利他主義の本質 ー「与える」ことが「受け取る」ことにつながる
私たちは「自分が得をするためにはどうすればいいか」と無意識に考えるものですが、この世の法則は、その逆です。
「与えよ、さらば与えられん」という聖書による有名な言葉がありますが、これは単なる精神論ではないのです。
アメリカの心理学者アダム・グラント博士は、著書『GIVE & TAKE「与える人」こそ成功する時代』の中で、ビジネスの世界で最も成功しているのは、見返りを求めずに他人に惜しみなく与える「ギバー(与える人)」であることを伝えています。
彼が行った研究では、医師、エンジニア、営業担当者など、多岐にわたる職種において、長期的に見るとギバーが最も高い業績を上げていたのです。
なぜなら、与える行為は他者からの信頼と協力を引き出し、やがては自分のもとに予期せぬ形で返ってくるからです。
これは、まさに「引き算」の論理。自分の利益を一旦手放すことで、より大きなものが自分に返ってくるというものです。
ここで注意したいのが、それを「自己犠牲」と勘違いして捉えたり、テイカー(常に自身の利益を最優先する人)のような注意すべきタイプの人にも見境なくこれを行なっている場合です。
こういった場合は、多くは実は自己肯定感が低かったり、疲弊感を伴いながらも無意識で行っている場合がほとんどだと思いますので、そういった場合は要注意になります。
「親切や思いやりを持った行いは、その相手のためだけでなく、直接的でなくとも巡り巡って自分に返ってくる」という教え、情けは人の為ならずということわざがあります。
誰かのために何かをするとき、一見、自分の時間やエネルギーを犠牲にしているように感じることも、誰しもあるものですよね。
でも他者を助ける行為は、実は自分自身の精神的幸福感を高めることにつながっていて、「利他行動」といって心理学でも研究されています。
誰かに親切にすることは、単に相手を助けるだけでなく、自分の人間性を高め、互いに良い人間関係を築くことにもつながり、自分自身の存在意義を感じることで心が満たされる効果があるのです。
そのため、誰かのために行動するということは、最終的に自分自身を深く愛することにつながっていて、そこには自己犠牲感のような苦痛や疲弊感は伴わないものです。
他者を幸せにする(喜ばせたり、何かしらの役に立つなど)ことが、結局は自分の幸福に繋がっている、これが人間の幸福感の本質なのです。
ー 成就をはばむ執着 ー「手放す」ことで「手に入れる」
私たちは、何かを成し遂げようとするとき、目標にしがみつき、執着してしまうことがあります。
でもこの過度な執着こそが、かえって目標達成の障壁になってしまうことがあります。
ブッダの教えの根幹にもあるのは、この「執着からの解放」で、「人生の苦しみはすべて執着から生まれる」と説いています。
これは現代の脳科学でも裏付けられていて、マインドフルネスの実践が現代人に提唱されるのは、多くの研究でストレス軽減、集中力向上、創造性の発揮に効果があることが示されているからです。
何かを「どうしても手に入れなければならない」という強い執着は、視野を狭め、心の余裕を奪い、負の波動状態を作り出します。
その結果、柔軟な思考や新しいチャンスを見逃してしまったり、目標達成とは逆の現象を引き寄せるといったことも起こります。
いったん「手放す」ことで、心にスペースが生まれ、そこに新しいアイデアや機会が流れ込んでくる、とも言われています。
執着の苦しみは、新たな苦しみを生む要素となるため、「もう達成している状態だったらどんな心持ちか?」という視点で考えるのが、宇宙法則に沿った解決策です。
何かを自分の思い通りにコントロールしようとするほど、思わぬ壁にぶつかると感じたことがあるのではないでしょうか?
逆に「流れに任せる」と腹を決めると、物事がスムーズに進み始めたりすることがありますよね。
これは、宇宙の流れと魂の本質が調和する瞬間とも言うことができます。
「逆にできている」とは、力で押さえつけようとするのではなく、委ねることで道が開くということでもあります。
ー 意識の使い方 ー「見えないもの」が「見える現実」を創り出す
「信じること」が現実を創るという考えは、スピリチュアルな領域だけでなく、最先端の科学である量子力学でも示されていることです。
量子力学の世界では、物質は確定した形を持たず、「可能性の波(確率の波)」として存在して、「観測者」が意識を向けることで、その波が収縮し、一つの現実(粒子)として確定するといわれています。
これは、私たちの思考や意識が、単なる脳内現象ではなく、現実を創造する力の元になっている可能性が多いにあることを示唆します。
かのアルバート・アインシュタインは、「想像力は知識よりも重要である」という言葉を残していたり、思想家で作家のジェームズ・アレンの著書『原因と結果の法則』では、「人間は心で考えた通りの人間になる」と記されていたりします。
この宇宙は、私たちが意識を向けたものに反応し、自分があたりまえに信じ、心に描くこと(見えないもの)が、やがて現実(見えるもの)を形づくる、具現化されるという原理がある、ということになります。
すなわち、執着はまた「執着を生み出すような現象」を作り出し、平穏な波動は「平穏な現象」を生み出す原因(要素)となるのです。
ー シンプルさの力 ー「持たない」ことで「すべてを手にする」
豊かさとは多くの物を所有することだと考えがちですが、多くの成功者や幸福な人々は、むしろ「引き算の生活」を送っていることがあります。
かのスティーブ・ジョブズは、自らの人生において不要なものを徹底的に排除し、服装は常に同じスタイルだったのは有名ですよね。
iPhoneのデザインも、徹底的に要素を削ぎ落とした「引き算のデザイン」で、彼は「シンプルであることは、複雑であることよりも難しい」と語りました。
なぜなら、本当に重要なものに集中するためには、余計なものを手放さなければならないからです。
所有物が多ければ多いほど、私たちはそれらを維持、管理することに時間やエネルギーを奪われますし、思考がゴチャゴチャしていることも然りです。
限られた時間の中で、自分にとって本当に大切な人間関係、価値ある仕事や好きなことに集中したいのなら、余計な物は手放す。
そうやって心や時間の余裕を生み出すことで、自分にとっての豊かな人生を築いて行くことに繋げていくのですね。
ー 逆境の捉え方 ー「失敗」こそが「成功」への道
誰もが「失敗」は避けたいと思うものですが、成功者たちはこの「失敗」をネガティブに捉えません。
松下幸之助は、「失敗の原因を研究して、新しい成功を考え出す」という言葉を残し、また、トーマス・エジソンは、「私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまくいかない方法を見つけただけだ」と語りました。
ペンシルベニア大学の心理学者 アンジェラ・ダックワース博士は、成功者の共通項は才能ではなく、「グリット(Grit)=やり抜く力」であると提唱しました。
グリットを持つ人は、失敗から学び、貴重なデータと教訓を与えてくれるものと捉え、物事を次へのステップへと繋げることができます。
失敗は、単なる挫折や終わりなのではなく、それをどう捉えるかというところに成功の道があることがわかります。
さいごに
「この世は逆にできている」という言葉には、人生をより深く理解するための大切な内容が詰まっています。
もし今、何かがうまくいかないと感じていたら、これらの真理を実際に意識してみることで、人生がかなり気楽になるはずです。