
近年では、マインドフルネスという言葉が世間に広まり、それを実践する方法としての瞑想もよく用いられているのではないかと思います。
でも日常的に、日本語では「坐禅」や「瞑想」、「イメージング」といった言葉が、その内容が曖昧なまま使われることも少なくないのではないでしょうか?
どれも「心身の状態を整える」という点では共通していますが、その目的と実践方法には明確な違いがあるんです。
なぜ混同されるか
英語の「meditation」が広く使われる中、日本語では「瞑想」でまとめられるので、一語で多様な技法を指すことになり、流派や目的の違いまではわかりにくいです。
また現代の「組み合わせコンテンツ」文化の影響で、ワークショップ等での提供方法が複数の技法が混ざったものになり、利用者には区別がつきにくいという面もあります。
どの技法も「リラックス」「集中力が上がる」「自己改善」といった感じの共通の利益をうたう場合が多いので、それも違いが目立たなくなる一因となります。
人によって感じ方が違うということや、体験差の違いも影響しているかもしれません。
私は、この瞑想グループ?とでもいうようなジャンルを、まずは以下の3つのカテゴリーに分けると、これらがもっとわかりやすくなると思っています。
〜3つのカテゴリー・基本の定義(端的に)〜
坐禅(ざぜん)日本の禅に根ざした坐法。姿勢・呼吸・心のあり方に厳格な指導がある。例:只管打坐(しかんたざ/ただ座る)、公案禅など。
瞑想(動的瞑想含む)広義の総称。注意の向け方(集中・開放など)や目的(洞察・慈悲・リラクゼーション)によって多種多様。
イメージング(ビジュアライゼーション/guided imagery)意図的に映像・感覚を作り出す技法。リラクゼーション、目標達成、治療補助などの目的で使われることが多い。思考や場面を“意図的に”想像する点が特徴。
坐禅(ざぜん)
坐禅は、仏教、特に禅宗における修行法の一つです。
その本質は「悟りを開く」(物事の真理を明らかにする、理解する)ことであり、特定の目的を持たず、ただ座ります。
雑念が浮かんできても、呼吸に意識を向けたり、それを追わずにただ流れるままに放置し、それを観察します。
坐禅の主要な目的は、思考にとらわれていない状態(無心)を理解することです。
瞑想(めいそう)
瞑想は、宗教的な背景を持つものもありますが、現代では心身をリラックスさせたり、集中力を高めたりするためのテクニックとして広く知られています。
坐禅が「無心」を目指すのに対し、瞑想は特定の対象に意識を集中させ、心を落ち着かせることを目的とします。
瞑想には様々な種類がありますが、マインドフルネス瞑想は、今の瞬間の自分自身の呼吸、体感覚、思考、感情などに意識を向けることで、ありのままの自分を受け入れることを目的とします。
坐禅のように座ることもあれば、寝転んだり、歩いたりしながら行うこともあります。
呼吸、体の感覚、音など、特定の対象に注意を向け、心がさまよったらその対象に意識を戻します。
イメージング
イメージングは、特定のイメージや目標、未来の姿などを心の中で鮮明に思い描くことです。
アスリートが成功する姿をイメージしたり、病気の回復を願って健康な体をイメージしたりするなど、具体的な目的を持って行われます。
潜在意識に働きかけることで、現実世界での行動を促したり、よい感情を引き出したりするといったポジティブな効果があると言われています。
目標達成、願望実現、モチベーション向上、治癒促進などを目的とします。
実践方法としては、自分が達成したいことやなりたい姿を、五感を使って具体的に想像します。
例えば、「優勝する」という目標であれば、表彰台に立っている光景、周りの歓声、トロフィーの重み、達成感など、細部までイメージします。
瞑想の主要なタイプ
一口に瞑想といっても多くの種類があり、その数は数百種類とも言われています!ここでは、瞑想の主要なタイプをいくつかご紹介します。
集中(フォーカスト・アテンション)瞑想
- 方法:呼吸、ろうそくの炎、マントラなど一点に注意を向ける
- 目的:注意力の向上、心の安定、雑念の減少
- 代表例:呼吸観察、マントラ瞑想、TM(超越瞑想)など
開放的(オープン・モニタリング)瞑想
- 方法:浮かぶ感覚・思考・音・感情を評価せず観察する
- 目的:気づき(awareness)を広げる、反応性を減らす
- 代表例:ヴィパッサナー、マインドフルネス実践
慈悲(ラブ・カインドネス/メッタ)瞑想
- 方法:自分・他者に対して好意や慈しみのフレーズを繰り返して向ける
- 目的:共感力・対人関係の改善、敵意・孤独感の軽減
イメージング(ガイド付き視覚化)瞑想
- 方法:ガイドの指示や自分の意図で情景や感覚を想像する(例:穏やかな森、治癒の光)
- 目的:ストレス軽減、想像力/創造性、治療補助、心理的リハーサル(競技パフォーマンス等)
身体スキャン / ボディ・センタード瞑想
- 方法:身体を部位ごとに意識して感覚を感じる
- 目的:体と心のつながり認識、リラクセーション、痛み管理
動的瞑想(歩行・ヨガ・太極拳など)
- 方法:ゆっくりした動きに全集中する
- 目的:体の感覚を通じた注意の鍛錬、今ここの感覚の会得、アイデアの活性化
思索/分析的(コンテンプレイティブ)瞑想
- 方法:特定の教義やテーマ(無常、死、慈悲)について深く考察する
- 目的:理解の深化、洞察の生成(主に仏教の一部で用いられる)
坐禅(禅)の特徴
坐禅(禅)は以下のような特有のポイントがあります。
【姿勢の重視】背骨、手の印(法界定印など)、視線の角度。形式が実践の一部でもあります。
【目的】教派によるが「ただ坐る(只管打坐)」で既成の思考や執着を手放す・直接的な悟りへの理解を目指すことが多い。
【思考への態度】思考を消そうとするわけではなく、そのままにしておくが、雑念や妄想にとらわれて行動的になること(追いかけること)を避ける。
【誤解されやすい側面】坐禅=リラックス法、というわけではなく、むしろ厳格さ・自己観察・場合によっては精神的な負荷(苦しさ)を伴う場合も。
「瞑想」と「イメージング」の決定的な違い
① 目的の向き 瞑想は「今ここ」の気づきを深めることが多く、イメージングは「何かを作る/変える/達成する」ために心像を用いる。
② 心の態度 瞑想はしばしば“評価しない観察”を重視しますが、イメージングは意図的・能動的にイメージを操作する。
③ 使用タイミング 瞑想は継続的習慣や洞察形成に向き、イメージングは具体的課題(緊張緩和、リハーサル、創作)のために短時間で効果を出すことが多い。
ただし重なる領域もあります(例:ガイド瞑想でイメージを使う、イメージングに呼吸法を組む等)。そのため混同が生じやすい。
何を選べばいいか、目的で決めよう
ストレス低減・睡眠改善 ➡︎ 短いガイド付きイメージ、身体スキャン、呼吸瞑想
集中力・仕事効率 ➡︎ フォーカス瞑想(呼吸や一点対象)
人間関係の改善・共感 ➡︎ メッタ(慈悲)瞑想
精神的洞察・宗教的実践 ➡︎ 坐禅(禅)、ヴィパッサナーなど伝統的修行
クリエイティビティ/目標達成 ➡︎ イメージング、メンタルリハーサル
よくある誤り・注意点
初心者ほど完璧を求めがちです。「正しくやらなきゃ意味がない」思考を捨てましょう。
雑念が来るのは自然なことなので、目的に応じて続けることが効果的です。
最初は一つの方法を続け、効果や感覚を観察するのが良いかもしれません。
健康上の注意として、強いトラウマや解離、重い精神疾患がある場合は、専門家の指導の元で行いましょう。
混同を避けるために
どうなりたいのか、何を知りたいのか、などの目的を先に明確にすると、方法が自ずと決まります。
「坐禅=座る禅の実践」「瞑想=広義の注意訓練」「イメージング=意図的な視覚化」などと用語を使い分けて考えてみよう。
混同の最大の原因は体験不足。短時間でも毎日実践するなど、自分の内側の違いをぜひ確かめてみてください。

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